以前行ったBarbour BEDELEのリプルーフ。
記事が3つに分かれていたので、見やすいようにまとめ直しました。
また、その後発覚した問題点なんかも…
どうしてリプルーフするの?
バブアーは、オイルがしみ込ませてあり、その効能によって防風性や防水性が高まっています。
また、コットンにオイルがしみ込んでいることで、生地も耐久性を得ています。
しかし、そのオイルも使用に伴い徐々に抜けていきます。
オイルが抜けたままだと、「防風・坊水性」がなくなっていくばかりか、生地もかなり破れやすくなってしまいます。
バブアーのコットンについて
バブアーのコットンはけして丈夫なものではありません。
「主に」3種類のコットンが使用されています。
- ライトウェイトコットン…4oz
- ミディアムウエイトコットン…6oz
- ヘビーウェイトコットン…8oz
UNIQLO UのTシャツが6.2ozですから、ミディアムでさえ、そんなに分厚いコットンではないことが分かります。
なので、それをアウター使いしたら、結構ダメージが出てくることは想像できますよね。
なお、バブアーの代表モデルはこんな感じ
- ライトウェイトコットン(4oz)…DURHAM(ダラム、ダーハム)
- ミディアムウエイトコットン(6oz)…BEDALE(ビデイル)、BEAUFORT(ビューフォート)、BORDER(ボーダー)
- ヘビーウェイトコットン(8oz)…INTERNATIONAL(インターナショナル)、SOLWAYZIPPER(ソルウェイジッパー)、MOORLAND(ムーアランド)、NORTHUMBRIA(ノーザンブリア)
※多くはミディアムです。
※3/4COATのように年代によって違うものもあります。
※ライトウェイト~のように一段階下のウエイトの物もあります。
※別注品を除きます
※HEAVY DURTY JAKET(A501)という10ozモデルもあります。
リプルーフの頻度
あまり期間で考えないほうがいいかもしれません。
どちらかというと使用頻度に応じて、「コットンが乾燥したら」になります。
なので、雨の中でよく使う人や日常的に使用する人のほうが、早くリプルーフが必要になると思います。
記事を触って「しっとり」や「コシ」を感じなくなったらリプルーフが近いサインでしょう。
オイル抜き
リプルーフの初めにオイル抜き
オイルを足していく、リプルーフ作業ですが、基本的にはその前にオイル抜きをします。
つまり、古いオイルを落として、新しいオイルを加えていきます。
もしオイル抜きをせずにリプルーフすると…
後述しますが、オイル抜きにもデメリットがあります。
それを避けてリプルーフをするならば、「オイル抜きなしのリプルーフ」をすることになります。
するとどうなるでしょうか?
かなりの光沢つやつやバブアー
になります。
ヴィンテージ市場を見ていると、異様にてかてかしたバブアーがあります。
これらはおそらくこれが原因。
しかし、衛生的には…なので、(あくまで)個人的には洗うことをおすすめします。
バブアーのデメリットを解消するためのオイル抜き
余談にはなりますが、リプルーフとは別の意図でオイル抜きをすることもあります。
それは、バブアーのデメリットである「ベトベト」を解消するため。
オイルが減るので、効果は表れますが、耐久性は減りますし「ボロ」感も出ます。
また、完全にオイルと抜けきるのはほぼほぼ不可能…
それでも、オイル抜きをしたければ「業者」に頼むのも吉でしょう。(業者については記事の最後にリンクを張りました)
オイル抜きの方法(細かい差)
オイル抜きをするのにはいくつか方法があります。
基本は同じですが、細かい差として
- シャワー
- 漬け置き手洗い
- 洗濯機
ようは「水(お湯)」を使います。
シャワーは楽です。
しかし、長時間当て続けるのも苦痛ですし、「表面の汚れを落とす」ことや「手軽なオイル抜き」をするのによいでしょう
漬け置き手洗いは一番丁寧です。
たらいに「水(お湯)」を張り、着けながら手洗いをし、抜いていきます。
流行りの「オキシクリーン」を使っても可能なようです。(自己責任でどうぞ)
洗濯機は「楽」ではありますが、洗濯機が壊れるかもしれないというデメリットがあるようです。
「作業着」を洗うとごみが良く出るので、洗濯機に負担がかかります。
オイルがしみ込んだバブアーも同じでしょう。
ただし、不可ではありませんし実践をのちに載せます。
オイル抜きデメリット
- そのまま使うと生地が弱い
- そのまま使うと防水・防風性が弱い
- 縮む
ことが挙げられます。
上二つは、前述したとおりです。
「縮み」に関しては、特に袖丈が縮みます。
数センチ縮むことがあるので、そのあたりは留意が必要です。
個体差もあります。
リプルーフ実践
※以前の記事の再編集です。
オイル抜き
状態確認
ビデイルの状態を確認します。
袖口の加工が取れてボロボロに。
結構これはバブアーではよくある気がします。
普通に洗濯できれいになります。
洗濯機1回目~アタックのみ~
洗剤をアタックでのみ、洗います。
結果は
袖口や、首裏のサイズ表示タグの汚れなどは落ちました。
通常衣類にある汚れ程度なら落とせます。
しかし、
固まったオイルがけしかすのように残っています。
これでは使い物になりません。
洗濯2回目~作業着洗剤の使用~
作業着洗剤を使用し、2回目の洗濯です。
作業着洗剤自体の使い勝手も、普通の洗剤のようなものです。
さて、どうなったでしょうか。
オイルの塊、けしかすは消えました。
しかし、全体的にむらがあり、まだ洗濯したほうがいいかもしれません。
洗濯3回目~作業着洗剤~
コーデュロイはここまでくるとかなりきれいになり、やわらかいです。
おおむね、むらもなくなりました。
この状態で、一晩干します。
自然乾燥後
かなりのカサカサ。
ちなみにこの状態でも、霧吹きの水は多少はじきました。
3回洗濯したくらいでは、完全にWAX除去するのは難しそうです。
リプルーフ開始
いよいよオイルを使っていきます。
はじめはカチカチのロウのようになっています。
こちらを湯煎していくわけですが、おすすめなのはIHコンロです。
そこに対応の容器を置き、水を張って、缶を浸します。
上澄みのほうから徐々に溶けてきます。
空気穴から中にしみこまないように養生テープを内側から貼ります。
ガムテープなどでもよいでしょうが生地を傷めようなので。
そのあとは、バブアー自体を温めます。
そのほうが、オイルが伸びていきます。
段ボールなどの密閉空間にバブアーを入れ、ドライヤーで温めます。
事前に時間があれば、浴室乾燥機でもいいですが、温度はそこまで高くなりません。
気温にもよるので、冬季はしっかりと温めるために、ドライヤーのほうが無難でしょう。
オイルが溶けて、バブアー本体が温まったら(5分程度)、スポンジを使ってオイルを塗りこんでいきます。
前身頃を塗った所。
ステッチのところにロウがたまりやすく、適宜伸ばしたり拭き取ったりします。
なんとか、前身ごろを塗りました。
僕は、前身頃(右)→前身頃(左)→襟裏→後ろ身頃→サイドベンツ周辺→右袖→左袖の順におこないました。
各部位の間には再度、段ボールに入ってもらい、温めなおしました。
ポケットのフラップの裏なんかは、水にぬれることもないので止めました。
結果です。
写真ではわかりませんが、しっとりが復活しています。
結構塗り込んだつもりが、あまりベトベトはなく、現行の新品くらい。
一缶のおおよそ半分程度を使用します。
しかしこれはBEDALEの話なので、表面積の大きなモデルでは、もっとたくさんオイルを使うことになると思います。
リプルーフのメリット・デメリット
メリット
- 記事が復活します。
- 愛着がわきます
デメリット
- 手間がかかります
- 丁寧にやらないとむらができます(味として捉えることもできます)
オイルを代用
もっとお手軽にリプルーフをしたい場合、アウトドア用のワックスを使うこともできます。
純正ではないですが。
業者のほうが丁寧
もし、金銭に余裕があるなら業者に出すのもおすすめです。
バブアー公式も推している、ラヴァレックスではリプルーフの料金は12000円のようです。
終わりにまとめようナ
バブアーのリプルーフは面倒といえば、面倒です。
しかし、愛用品を長く使うためには必要であり、それは靴のメンテナンスにもちかいものがあります。