19/20AWは暖冬で合ったので活躍もなく、押し入れの中に封印されていました。
型も古く、必要以上に重いので使い勝手がいいかといえば微妙です。
しかし、ヴィンテージにありがちな「ロマンを感じる服」がこちらになります。
概要
Vintage hariss tweed coat
かなり分厚い、ズドンとした重みがのしかかります。
古い手紬のウールからは、微妙な陰影が生まれるので、遮光カーテンのような重厚な陰影が付きます。
ハリスツイードとは
ハリスツイード生地は、スコットランドのルイス島という島で『島民たちによってピュアヴァージンウール(再利用でない)の段階から紡績・染色をされ、島の職人(現在は120名ほどしかいない)により一枚一枚手織りで織られた』生地にのみハリスツイード協会より与えられるブランド。 あえてケンプ(死毛)を含ませることで野趣を与えた厚手でざっくりとした独特の風合いと自然な色合いが特徴です。引用元
ブランドと勘違いしている人もいますが、生地の…種類といえばいいでしょうか。
ハリス諸島で手編みでおられるツイードのことでしょう。
こちらの記事でも少し触れていますので、合わせてどうぞ。
年代の判別
ハリスツイードの「オーブ」がついているこのタグが、本物の証明になります。
そして、タグの色や種類で年代の判別が分かります。
この単色タグは40sとのこと。
60sまではよく古着屋さんで見かけますが、~50sになると出玉がないし、あっても状態が結構悪くなってしまいます。
製造メーカーは?
Jackson tailor(ジャクソンテイラー)はイギリスのメンズショップですね。
今もあるのかはよくわかりませんが、都市部に出店していたとのことです。
ステッチなどを見ればわかりますが、普通のマシンメイド。
仕立てに関してすごく丁寧…とは感じませんでしたので、量販店もののようなイメージを持っていただけたらいいでしょう。
現在よくあるSUIT〇〇なんかが、70~80年後に見つかる感じかな。
ハリスツイードをいつ着るのか~カジュアル?ビジネス~
元々の由来から考えると?
ハリスツイードは目が粗く、もともとは労働着。
現行ものはある程度柔らかくなっていますが、ざらざらしているので、スーツ地にあるようなものより「カジュアル」な印象を受けます。
カジュアルで使うなら
この日は、タートルネックにツイードベスト
なかなか大きめのシルエットですが、ガバット羽織るように使っています。
こちらの場合もモックネックに合わせています。
色味を多くしていますが、Vゾーンが狭いのでそこまで悪目立ちはしていないはず。
いずれにせよ、ツイードは冬素材。
タートルネックや、ニットなどの季節感のあるものと合わせるのをおすすめします。
ビジネスで使うなら
スーツの上にオーバーコートとして合わせる場合、状態に注意です。
いかに貴重な生地で丈夫なものであっても雰囲気がワイルドだと変に目立ってしまいます。
この辺は「現行」のハリスツイードがいいかもしれません。
コートはどうしたって、生地面積が大きいのでコーディネートの中で印象強めです。
生地感、状態、色味、柄などは注意ですね。
また、余談ですが、同じく有名なドネガル(ドニゴール)ツイードは「ネップ」がおおいので、よりカジュアルな印象になってしまうので注意です。
どうやって手に入れる?
ヴィンテージとは言え、年代にこだわらなければ(60sくらいまでなら)結構簡単に見つかります。
古着屋で買うメリットデメリット
メリット
- 由来やストーリーなどが聞ける
やはり「どう使われていたか」などのストーリーや年代判別などが聞けます。この辺りは「買う楽しみ」を増強してくれます。
- 試着ができる
古いツイードジャケット&コートはパターンが古臭かったり極端に大きかったりします。できるなら試着はしたいのでここはかなり大きなメリットかな。
デメリット
- ややお高め
店頭で買うのでどうしても、人件費やお店の維持費が入ってしまいます。
通販(ネット)に比べるとややお高めかな…
通販で買うメリットデメリット
メリット
- 欲しい色柄や年代の物を探せる
やはりネットの力は偉大ですから。全国各地+海外のいろいろな在庫から調べることができます。 好みの物に出あれる可能性は大きいですね。
- 安い
特に、ebayを利用して、海外から取り寄せるとかなり安く手に入れることができます。
その分デメリットも膨らみますが…
デメリット
- 試着できない
ジャケットだと結構これが痛いです。
コートならまだましですが、シルエットがどのようなものなのかはわからないので、正直ドキドキします。
- 状態が分からない
完全に出品しているお店や個人を信頼するしかありません。
しかし一口ツイードといっても手触りは様々です。
仕立てることができたらそれは一番だけど…
テーラーで仕立てられたら一番ですね。
生地自体は出回ってますし、ヴィンテージのものを抱えている仕立て屋さんもあるかもしれません。
ただし費用はそれなりになってしまいますし、生地によっては…
お直しに出すことも大事
僕は「古着屋」で買って、名鉄百貨店のサルトで大きく直してもらいました。
たしか、
- 身幅
- 肩幅
- 肩パット調整
- 袖幅
- 袖丈
と直してもらい…トータルで50000円くらいかかったと記憶しています。
また、クルミボタンもだいぶ悪くなっていました。
大き目の水牛ボタンを自分で買って、近くの仕立て屋さんでつけてもらいました。
まとめようナ
実は手にいれて最初に洗ってます。
水洗いしたら、引くほど出てきた汚れ…
これは70年の貫禄ってことで、誰に頼まれたわけではないけれど、勘弁しておきます。
定年付近まで着ると生誕100周年を迎えるこのコート。
着る体力がもつかはわかりませんが、大事に手元に置いておきます。
そのほかツイードジャケットの記事はこちら。