時々POPEYEで名前が出ていたり、デザイナーのポールヴィンセントのインタビューが出ていたりしたのが、このブランドを知ったきっかけでした。
とはいえ、なかなかプロパーで変えなかった時、アウトレットで出会い飛び上がったのを記憶しています。
概要
S.E.H KELLY VENTILE MAC COAT
とにかく、語るべきことが多く、その魅力も素晴らしいコートですが、表現することが難しいです。
S.E.H KELLY(エスイーエイチケリー)とは
S.E.Hケリー(S.E.H KELLY)は、イギリスのブランドです。
スタートは2009年とおよそ10年前。
ポール・ヴィンセント(Paul Vincent)とサラ・ケリー(Sara Kelly)が立ち上げました。
コレクションは英国諸島(イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズ、および、北大西洋にある島々)メイドで作られている。
生地と材料は、優れた地方の工場と協同組合の豊富な品揃えから供給されており、1700年代から続くツイードファクトリー、国の唯一残存しているホーン ボタン メーカー、イングランド中部地方の家族経営の会社など、カシミヤ、羊毛、ツイードなどブリテン諸島の様々なところから供給されている。
また、アイテムはワークルームやファクトリー専門店で作られている。例えば、ジャケットとトラウザーは北ロンドンのワークルーム、シャツはイギリスの南西部にあるシャツ専門メーカーなど。引用元
ジャケットやコートの仕立てには、サヴィルロウの技術が使用されるなど、素材・作りにおいてこだわりが見られるブランドです。
ポールヴィンセントはこのように語っています。
いざ自分たちで作るとなったときに決めたコンセプトは、「毎日自分たちが着たいもの」。たった2人だけのブランドで明確なブランディングもないので、例えばサッカーを観に行くとか市内を歩き回るとか、そういう時に気兼ねなく着られて、自分に馴染む服をベースに考えています。
引用元:インタビュー
マックコートとは
アメリカなどではこのタイプのコートに固有名詞がつけられていないらしく、単にコート、トップコート(英: top coat、スプリングコートと同義)、レインコートおよびマックコート(英: mac coat、レインコートと同義)などと呼ばれる。そのためステンカラーコート相当のコートが、全く別の名前で流通していることがある。例えば「バーバリー」ではトレンチコートに分類され、カーコート(英語版)という名前で売られている。引用元:wikipedia
つまり、ステンカラーコートの愛称です。
ポールハーデンのマックコートなどが有名ですね。
ベンタイルとは
このコートの一番の目玉ともいえるのが、ベンタイルコットンを使用しているということ。
ベンタイルは、イングランドのランカシャー州にあるファブリックメーカーであるタルボットウィービング社が展開する生地。もともとは英国の軍用に開発した生地で、細軍手のコットン双糸を限界まで打ち込むことで、水と風を防ぎ、浸透性も確保という力技。ただこの糸を作るには、最上級の繊維長のある綿が必要不可欠で、糸を使う量も多い、そのため量産できず高級生地なのだ。引用元
実際、とてもハリがあり 着初めには「パリパリ」というとこがするようなほどでした。
高密度故、雨をはじき風の侵入を防いでくれるのでススプリングコートの素材としても優秀です。
元々は軍物のスペック故、アウトドアについようTilAKのアノラックパーカーなどでも使用されています。
なお、Barbourにもベンタイル使用のレアモデル「エンデュランス」があります。
ディテール
襟元
襟は小さく、カジュアルな雰囲気です。
小ぶりで控えめな襟は着る人を選ばないと思います。
中にシャツを合わせてもよし、カットソーを合わせれもよしという雰囲気でしょう。
逆に、ジャケットのオーバーコートにはしづらいかな?
ポケットの多さ
このコートは非常にポケット、そのポケットに付随するボタンが多いです。
サイドには、パッチポケットがあり、その口をボタンで留める仕様になっています。
そして、サイドのポケットは二重。
陽とっつのボタンで二つのポケットを貫通し、留める仕組み。
しかも、サイドスリット(ポケット)になっており、ウォーマーポケットのようになっています。
ボタン止めのポケットは、モノが落ちにくくてよい反面、手を入れたり、簡単に物を出し入れするののが困難です…
しかし、このサイドポケットがあることとでそのデメルっとがある程度は払しょくされます。
ポケットの多さ、仕組みから非常に実用的なコートであるといえます。
そのため、結構ワークのような雰囲気も。
袖回り
アームベルト(っていうの?)も細目で上品。
また、端もラウンドしておりかわいらしさ、柔和な表情を生んでくれます。
コーディネート
タートルネックとジーンズに合わせてみました。
このマックコートは「コート」とはいえ着丈短め。
なので、ワークらしいアイテムとの相性が良いと思われます。
こちらはさらにカジュアルにM-65とスニーカー。
インナーはデニムシャツです。
太めのパンツとラグランスリーブの丸みのある肩が、シルエットがまとまって相性がいいですね。
まとめようナ
なんてことないようなデザインですが、随所にこだわりの見えるこのコートはお気に入り。
春の羽織として活躍させたいコートです。