浅はかな表現だった
以前、Mont BlancとSAILORの万年筆を比較しました。
この記事でも書いたように、どちらも素晴らしい万年筆であることには変わりないです。
しかし、一点「浅はか」であったなぁと考えることが。
それは下の一文。
個人的には5倍払って買うことには「趣味性」が大きな要素になると思います。
「憧れ」を所有することの効能は日常を楽しむコツですが「道具」としてなら優等生の「プロフィット」もおすすめです。
確かに
- Mont Blanc=憧れの一品
- プロフィット=優等生
ととらえることには問題ないと思います。
しかし、
- Mont Blanc=憧れの一品 → 趣味
- プロフィット=優等生 → 実用
と表現したことが浅はかであったと思います。
浅はかさに気が付いた
なぜ、自らを省みることになったのか。
それは、ある会議がきっかけ。
なんとタブレットが不調で打ち込めない。
とりあえず議事録を手書きでとり、あとで打ち込むことに。
そこで使用したのは、何の気なしにペリカンのスーベレーンM400。
修理から戻ってきたばかりでしたし、基本「職場で毎日使う万年筆」はこちらになっていたものでしたから。
さて、休憩をはさんで後半戦。
久しぶりの手書き議事録にやや疲れを感じた僕は、気分転換に万年筆を変えることに。
そこで登場したのが、件のMont Blanc146。
特に理由もなく、「黒インクが入っているから」くらいのつもりで選んだのですが…
まると、前半が終わったくらいの時間が経った頃でしょうか。
書き込みの量も、前半分くらいあるのに、先ほどよりも疲れていないことに気が付きます。
確かに、適度な重みがするすると筆を運び、自然な流れで文字を紡ぐことができる感覚。
普段の、A4半分~1枚くらいの筆記量では大きな差も感じませんが、議事録の様にどんどん書き続けないといけない時には、重量バランスって重要だな…と感じました。
実用性とは
恥ずかしながら、上記リンクの比較記事をはじめに書いた時は、「価格差」と「プロフィットの優等生さ」が頭にあったので、あのような表現になってしまいました。
しかし、Mont Blanc146の重量バランス、インクフロー(この辺りは調整で変わる)、インク容量などを考えるに、これこそが「実用万年筆」なのではないかと気が付きました。
思えば、「実用性」の要素に「価格」が関与することが変な話。
「安いから気兼ねく使える」こともある意味「実用的」かもしれませんが、これは価値観に基づく一側面でしかないですよね。
洋服にしても、「アウトドアメーカーの比較的高価なダウン」が「UNIQLOのウルトラライトダウン」に実用性で劣るのかといえばおかしな話。
また、その逆も然りですが、「価格込」「価格を関与させない」どちらの視点でも考えることが大事です。
価格にとらわれないということ
僕は高給取りでもなんでもなく、いろいろ削減したり、やりくりしながら趣味のお金を捻出しています。
だからこそ、価格が気になってしまうのですが、そこばかりとらわれていては目が曇るという当たり前のことを再び学びました。
正直、はずかしいですが、ここは不明を認めましょう。
これからは「価格」という一つの目安に比重を置きすぎず。
「高い(安い)から買う」「高い(安い)から買わない」などという考えを、最後尾に並べなおし、装飾や、実用性などの他の要素たちも整列させてみよう。
「前へならえ」と整列させて、最後に
「価格クン、一番後ろから見て他の人はズレてませんか?」
なんて聞くような感覚で。
反省をしたことで
反省をしたことで、買い物の基準を変えていこうと思うのは事実。
ただたぶん、「買わなくなる」ことは別になさそうだなと。
とくに、Mont Blancの実用性の高さはより魅力を感じましたから。
(フラグかナ…)
でも、根底が道楽者なので、装飾の美しい万年筆を胸(ポケット)に刺したい…
なんて欲求もまだまだあるんですよね。
筆箱という花束
まとめになります。
どうも「買い物論」みたいに帰着しつつありますが、現状の筆箱内を見直して。
Mont Blanc146のすばらしさを再認識したという話でしたが、他の万年筆が「劣るもの」ではないことも事実です。
立ってのメモ・速記はやはりウォーターマンのカレンが役立ちますし、朱書きはプロフィットの柔らかい書き味がよい。
スーベレーンの小ぶりながらのバランス感覚は、万能です。
「世界に一つだけの花」の「もともと特別なオンリーワン」ではないですが、そんな個性あるメンバーを集めたコレクションを花束とし、手に抱えながら毎日気分を挙げて出勤していきたいと思います。
また、よい花を見つけたら、仲間に入ってもらおう~っと。