憧れる。
憧れていた。
父が生きた海に太一もまた生きようとした
「海のいのち」をご存知でしょうか。
小学校の教科書に載っている「太一」を主人公とする話です。
海のいのち (えほんはともだち―立松和平・伊勢英子心と感動の絵本 (25))
- 作者: 立松和平
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1992/12/01
- メディア: 大型本
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難解…というほどではないせよ、主人公太一の気持ちについて直接的な表現が少なく、想像力が必要なこの物語の骨子は「憧れ」と「共生」
たくましい青年となり、大人になっていく太一ほどの強さはないけれど。
ここまで強く憧れるような靴がありました。
君臨する靴棚の王の風格。
瀬の主ってこんな感じでしょうか。
海藻の揺れる穴の奥に、青い宝石の目を見た。
青い宝石…ではないですが、鈍く光る茶色の革。
革の宝石と形容されるのもうなずける佇まい、重厚。
Polo RALPH LAUREN / LAWFORDS
Made in England、つまりは、所謂、クロケットラルフ。
数々のOEMをこなしてきたCrokett&Johnesによる製作。
クロケットはコラボレーションにこそ、定評がある器用なメーカーのイメージです。
それをホーウィンコードバンで。
ralph自体は「アメトラ」のようなイメージがありますが、それはさすがのデザイナーブランド。
スーツにもイングリッシュドレープを取り入れたラルフローレン御大の、センスでしょうか。
もともとはスコットランド出自(だったと思う)のギリ―シューズ。
コードバン・ダブルソール・ストームウェルト「分厚さ」の塊のようなディテールを載せながらも鈍重ではない。
某ブログでのコーディネートを見てからずっと憧れていた靴でした。
正面からにらんだときにこそ、この靴のかっこよさは輝る。
ハイシャインなど要らないと思う。
アザミ。スコットランドの国花にして、逸話を含む花。
舞踏靴のギリーの側面に咲き、ヴィンテージのような意匠。
ここまで、装飾が装飾している靴は、勇気をもらえます。
追い求めるうちに、ふいに、夢は実現するものだ
手中にあって、なお憧れの靴。
共に生きるなんという大それた言い回しを活用しつつ、履いていきます。
「おとう、ここにおられたのですか。また会いに来ますから」