趣味の沼が増えるということは恐ろしいものです。
(前にもこんな言い回しをしたのでは?)
アンティークの懐中時計が欲しくなっていましまして…
色々悩んでいたところ、オークションで手ごろなものが見つかったので…
概要
Illinois / Antique Pocketwatch
家の椅子の上に置いているだけですが、非常にいい雰囲気。
時代を超越した、渋みと味わいを感じることができます。
製造は1921年ということで、もうまもなく100年です。
Illinois(イリノイ)とは
イリノイは1870年に設立された歴史の古い時計メーカーの1つで、懐中時計メーカーとしてその名前を知られることになります。1926年に創業者が亡くなりますが、その死後のすぐともいえる2年後、1928年になってハミルトンに買収されてしまいます。
懐中時計に関心を持つことになった今年になって、初めて目にするメーカーでしたが、アンティークポケットウォッチの世界では有名どころ。
アメリカのメーカーですね。
鉄道局の時計として使用されている経緯があります。
この時代、鉄道と時計は切っても切れない関係。
Ball Watchも深い因果関係があって発展していましたね。
さて、上記リンク先には、こちらの広告も載っています。
この広告の情報に描かれているのが、今回獲得したモデルです。
Bunn Special(バンスペシャル)とは
この懐中時計のモデル名は、イリノイの代表格バンスペシャル。
ムーブメントも他のモデルに比べて凝っている(らしい)ので、グレードの高いモデルなのだとか。
僕の物は違いますが、バンスペシャルの中では、60時間稼働などという1900年代初頭にしておそろしいパワーリザーブを持つモデルもあります。
入手の動機
クォーツのモデルを年始に獲得し、一気に興味を持った懐中時計。
そこに念願のアンティークチェーンを手に入れました。
そうなると、そりゃ欲しくなりますよね…
- アンティーク
- 機械式
- ゴールド(チェーンを使いまわすため)
という条件でコツコツ探しました。
ディテール
文字盤
文字盤はポーセリンで美しい光沢を保っています。
多少のヘアラインが入ってい待っていますが、目立つような大きな割れもありません。
うまく取れませんが、赤茶の針が渋いです。
スモールセコンドは、6時位置に配置され、それにより欠ける「5」「7」がデザインとして素晴らしい…
そして、ダブルサンクダイヤルという仕様で、中央部が一段下がっております。
面白いのが、時刻合わせ。
まずは表蓋を外します。
そして、1時付近にあるレバーを引き、露出させます。
その後に竜頭を巻くことで時刻合わせができる仕組み。
剣引き剣回しという機構のようです。
裏蓋
裏蓋にはがっつり掘りがありました。
手彫りでしょうか?
ネットでみた他のモデルにはないのでかつてのオーナーが以来しれ入れたものでしょうか?
こういった「一点もの」の魅力プンプンです。たまりません。
裏蓋の裏
シリアルナンバーが記載されているほか、「GOLD FILLED」という金張りの証明も。
こういったところにもロマンを感じてしまいます。
機構
裏ブタを外すと、中の機構を見ることができます。
埃の混入が怖いので、滅多に開けるつもりはありませんが、やはり壮観。
NOMOSもそうですが、手巻きにはローターがないので、テンプの動きが良く見えて実に楽しい。
まとめようナ
100年前の機械がこうして目の前にあること、そして働いていることはすごいことではないでしょうか。
なにせ、100年前のアメリカの誰かが、誰かのために、時間を知る道具を作り、幾多の人の手を超えて僕の掌にある。
高性能な時計や、芸術的な高級時計とはまた違った、鈍い光が確かに感じられます。
きっと、思考の中にしかないような、嗜好の限りの、至高の輝きかなのかナ。