このALDENの記憶はありますか?
結構信じられないくらいの破格で、手に入れたALDEN。
最初の状態は上記リンク参照なのですが、今晴れて改造計画の解禁です。
経緯
さて、僕がこのオールデンを手に入れて早半年。
修理依頼をしていたのですが、なぜ着手にここまで時間がかかったのでしょうか。
いくつかの理由があるのでご説明します。
エキシビション企画
今回の靴修理は結構大掛かりのため、Sewnとしても「通常ならばお断り」の物。
しかし、隆太さんのご厚意のもと「エキシビション」としての実施となります。
そのため、
- 万が一靴として整形しなおせなくなっても、諦めること
- お店のプロモーションとして行うこと
を条件に実施しました。(もちろん修理費用はオールソール+α)
そのため、オーダーシューズ作成、オボイストモデル等企画運営、OEM作業の間を縫っているので、時間がかかっています。
プロモーションとして
また、プロモーションになるように、SewnのYoutubeチャンネルの動画にまとめます。
となると、各作業ごとに撮影が必要となるため、スケジュール調整をするのが必要になって…1~2工程を一月にすすめていくことになったのです。
こちらの動画は、靴が完成次第編集してアップします。
突然の報告ですが、Sewnの動画はわたくしが撮影しています。
靴の修理作業、作成作業を見せていただく代わりに動画の編集を請け負うという趣味のWIN-WIN。
作業工程チラ見せ
修理の方向性
さて、今回のALDENは、オールソールをすればナントカ履くには履けそうでした。
しかし、ところどころダメージがあり、修理が必要。
ヒール部分もダメージがありましたね。
修理の必要性に加えて、「オールソールだけでは面白みがない」ということで、
インソールとアッパーも分離させ、釣り込みなおしてしまおう
となりました。
もちろんALDENの木型はないので、精確な「釣り込みなおし」にはなりませんが…
まずは分解
オールソール作業に加え、インソールとアッパーをも糸を切ってばらしていきます。
こうしてみると、靴ってミルフィーユみたいになってますね。
よく、「靴の解剖図鑑」みたいな挿絵を雑誌でもいますが自分で触れるとやはり面白い。
さて、パーツを一同に並べます。
シャンク、ウェルト、インソール、ミッドソールなど、靴が見事にバラバラ。
押収品を並べる警察官のように並べました。
縫いなおし
さて、ここからインソールを作りなおし、原型に近い木型をアッパーを入れます。
そして、元合った穴に糸を入れ、リウェルト。
元合った穴を見極めつつ、手縫いで進めていきます。
さすがにこれは機械ではできないですね。
また、木型が違うので微妙な「革のズレ」が生まれてしまうわけですが、そこはさすが熟練の職人。
糸の張りを美調節しながら絞り、木型に沿わせていきます。
ここがは見ていて感動。
見事ウェルトが付きました。
ここからは、シャンクを入れ、コルクを敷き、出し縫いにかけてミッドソールを縫っていきます。
プロモーションとはいえ、さすがにそこまでハンドで行くのは苦しいので今回は通常のグッドイヤーや九分仕立ての様に機械で縫っていきます。
現状作業はここまでなので、レビューは少し後の記事になりますが…
今後の構想
「それで、どのようなソールに仕上げますか?」
と隆太さん。
- ウェルトをどぶ起こし、出し縫いをヒドゥンにする
- プランテーションソール
などのアイディアが出てきましたが、ピンとこず。
「では…」
とサンプルとして提案されたのは1足の靴。
こちらの マウンテンブーツは、隆太さんが修業時代練習としてに、マルモラーダを参考に作られたもの。
このごついフラットソールの迫力‥‥
この4㎜ミッドソール+フラットになるまでレザーの積み上げ+コマンドソールという武骨の塊のようなデザイン。
これだ!ということで、採用。
結果、材料費等々で、費用は増しましたが挑む価値あり。
(そもそも靴本体は1500円ですし…)
しかし、この積み上げはすごいなぁ。
本当に楽しみです。
まとめようナ
だし縫い作業、その他イベント等があるので、次回の作業はまた来月になりそうですが、かなり面白い靴になりそうな予感。
また、動画にもするので今のうちにチャンネル登録をお願いします。